裏街ブルース ・・・ 1 ・・・

裏街ブルース

化粧なおしの 鏡の中に
あたしの心がゆれまどう
あなたを偽ることを知り
これもこれもこれも愛
傷つくだけの 愛なのよ

あなたの全て 知りつつ燃えた
愛の果てまで堕ちて沈むわ
いけない男にしたくない
愛の愛のみにくさを
知ってしまった あたしには

あさい眠りの あなた胸に
すがりつきたい突き放したい
人生捨てたあたしには
おとこおとこそれだけね
裏街ネオン ためいきか  
       1967年 

団塊末子のつぶやき

裏街ブルース(高二秋・・・たかに あき)

ここから、始まったのです・・・自分の書いた詩に、メロディーがつき、カラオケが出来上がり、歌が誕生する。作詩・高2秋(たかに あき)なぁんてペンネーム気取りで、高校2年生の秋に、書いたのでしょう。自分でも笑っちゃいます・・・黄ばんだ表紙、ヨレヨレになった学習ノートの片隅に、書きなぐっていました。大ヒットした森進一の歌が流れていた頃です。

森進一の歌に衝撃を受けました。高校生の自分には、妖しくて、純じゃない別世界。大人のにおいプンプンの演歌。強い拒絶感の裏には、覗いてみたい、知ってみたい、興味津々のある種、憧れがあったのだと思います。

「夕映え」ママさんと同じ四国出身の、2学年先輩主催のジャズライブの常連客だった私でしたが、恥もなく「こんな詩が、出てきちゃって・・・」「それじゃ!曲つけてみましょうか」になり、サックス奏者でバンマスの北村さん、アッという間に作曲完成「ウワッ!」って、夢みたいでした。

 文字が譜面になり、曲が生まれ、カラオケができて、平面から立体に歌が生誕する。その過程に私の胸はワクワクです。

映画音楽ばかり聴いていた昭和の青春時代から、年号は平成にと流れていましたが「アゲイン・カムバック・青春そのもの」なんて、ひとりで妙に照れてしまいました。

 このジャズライブを、定期的に組んでいたお店が、「ライブサロン 夕映え」でした。小江戸・川越・伊佐沼湖畔に「知る人ぞしか知らぬ」とばかりに、ひっそりと、こっそりと、店というイメージのない、三面の窓の外には、広々と水を湛えた伊佐沼です。その静かな水面を、渡り鳥や、水鳥、アヒル、大きな亀までが、のんびりと憩い、たまには、蛇や牛カエルにも、遭遇します。

対面には、伊佐沼公園の、高い木々の緑が空に広がり、市街化調整地域ならではの空間です。お隣に一軒お家があるだけで、周辺は伊佐沼からの水路を分け合う、稲作畑が、季節ごとの風景を移します。

ジャズライブに来る楽しみは、街中の日常から一寸離れて、四季の変わり目の色や、匂いを、この伊佐沼湖畔で、深呼吸できる事にもありました。

「売り物は、ゆったりとしたスペースと、この景色、そして、トークサロンなのよ!」と、ママは、常連客達の主体性に任せて、実にのんびりとしていました。

ライブ終了後は、サイフォン仕立ての珈琲と、各自で持ち込む、ドリンクやおつまみに、バンドマスターを囲んでの会話が行き交い、Jazzyな・・・気分満喫の黄昏どき・・・湖畔の夕映えでした。

そんな「ライブサロン 夕映え」が、昼下がりには「カラオケサロン」になり、カラオケ客で結構、賑わっていたのだと後で知ったのですが・・・。

昔・むかし、何気なく書いておいた詩が、突如、歌謡曲に変身しちゃった事で、私とカラオケとの出逢い(昭和が駆け抜けた、平成16年です)が、スタートしたのです。そんな、ひょいとしたことから・・・まさか、歌謡曲づくりが出来るとは、思ってもみませんでした。

さてさて「夕映え」のママさん、一風変わり者かな!と、言われている様です・・・が、「なぁんだ、同級生ね」って、私と同じ団塊世代の末っ子!生きてきた環境も、似た者同士みたいな感じがしています。 

始まりは 伊佐沼湖畔「夕映え」からでした

夕映えママのつぶやき

ジャズライブ

バンマスのシュー北村さん・・・バンド仕事の空きをみての、ジャズライブは、北村さんのサックスと、その都度のゲスト、ピアノとベースのトリオ演奏です。元有馬徹とノーチェ・クバーナや、東京キューバン・ボーイズのメンバーさんから、プレヤーを紹介してくれます。

このジャズライブに、一人で、開演すれすれに来て、終るとすぐ帰るのが団塊末子さんでした。 団塊末子さんは、カラオケのお客さんではないので、気になってはいましたが、ひとりで来るのですから、ひとりが好きなんだと感じていました。私だって、ひとりが大好きですもの。

 毎回のライブは、オープニング「鈴懸の径」そして「再会」での終了がお決まりです。松尾和子大フアンの私は「再会」のジャッジィーな生演奏に・・・日々を追いかける多忙の呼吸を忘れて、息が止まるひと時でした。

何回目からかライブ後に、団塊末子さんも残るようになり、ブラック珈琲のあとはアメリカンを、お替わりして、黙って窓側に座っていました・・・私は内心、いつ時も、ひとりぼっちでいる団塊末子さんで、あって欲しいと願っていました。

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